第183章

「私は……あの女に、あの女に……っ」

 丹羽光世はすかさず問い詰める。「あの女がどうしたというんだ?」

 その言葉が終わるか終わらないかのうちに、天瀬姫代はにわかに唇を青ざめさせ、胸元を掻き毟るように押さえて苦悶の表情でうずくまった。「光世、胸が……痛い……っ」

 催眠が解けたのだ。

 彼女の苦痛に満ちた様子は決して演技には見えない。丹羽光世は慌ててその身体を抱き起した。「病院へ連れて行く」

 「い、いいの……部屋に、お薬があるから」天瀬姫代は息も絶え絶えに、喘ぐように口で荒い呼吸を繰り返す。

 光世は急いで彼女を自室へと抱き抱えて行き、そっとベッドに寝かせた。「薬はどこだ?」

...

ログインして続きを読む